WEEKLY (THINK)

peelの週報。
スタッフの日常×クリエイティブシンキング

ILLUSTRATED BYみずたま

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2匹と暮らす〜3年目のできごと

保護猫のよるさんとふゆさん2匹との暮らしにも慣れ、いっしょにいることが当たり前になっていた3年目の夏のある日。突然やってきたのは、想像もしていなかった三毛猫よるさんとのお別れ…。外出中消していたスマホの電源を入れると、息子からすごい数の着信が。嫌な予感とともに電話をかけなおすと、よるさんが洗剤まみれになって、後ろ脚が動かず、鳴き続けている。もしかしたら洗剤の誤飲かもしれないと報告が。
 
ひと足先に帰宅した旦那さんがかかりつけ医に連れて行き、遅れて病院へ向かうと、そこにはICUで点滴を受け、つらそうに横たわるよるさんが。ガラス越しに覗き込むと、呼吸も絶え絶えなのに、私を見て「にゃー」とひと鳴き…。朝出かけるまでツヤツヤだった自慢の三毛はボサボサで、いつもぷっくりふわふわな顔もげっそりと細くなっていて、涙が止まらない。
 
原因は洗剤の誤飲ではなく、もっと深刻な『血栓塞栓症』。心臓内でできた血栓が全身へと飛ぶ、人間でいう心筋梗塞なのらしく、「洗剤の誤飲のほうが全然よかったです」と先生が言うほどで。心臓が肥大し、肺にも水がたまり、とても危険な状態とのこと。お尻の太い血管の交差点がつまって、下半身が麻痺。激しい痛みとパニックで部屋中を動き回り、置いてあった洗剤のパウチを爪で破ってしまったのでは?とのこと。
 
この状態になると安楽死を選ぶことが多いけれど、まだ4歳と若く、回復する可能性もあるとのことで、できる限りの治療をしながら、ICUの前で見守ったり、声をかけたり、たまになでてあげたり。とはいえ、深夜だったことと、治療には時間がかかることもあり、一度帰宅し回復を信じて待つことに。
 
朝4時ごろ、よるさんが旅立ったことを伝える電話が…。たった4歳。わが家に来て3年。とってもくいしんぼうで、なぜか階段が登れず1階でしか暮らせなかったよるさんは、仕事から帰る旦那さんをカーテンをシャッと開けて窓からのぞいて待っていたり、仕事中にデスクへやって来て、お尻をトントンすると満足してまた眠りにつくかわいい子だった。わが家にきてしあわせだったかなあ?とか、これまで過ごした3年とちょっとをぐるぐるぐるぐる思い返しながら、最後の2日間をいっしょに過ごし、永遠のお別れをしたのでした。
 

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WRITTEN BY みずたま

いちごとかき氷をこよなく愛す、平凡なコピーライター。長めの文章を書くのがどうやら好きらしい。

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