WEEKLY (THINK)

peelの週報。
スタッフの日常×クリエイティブシンキング

ILLUSTRATED BYFarubi

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ひょうそ

右手の中指、爪の右側が痛い。さっき洗い物をした時に引っかいた気がする。それだろう。でも次の日もその次の日も痛い。痛くてエンターを押せない。これはもしかして。

 

前にもささくれの痛みだと思ってたら、爪の付け根が腫れて膨らんできた。怖くなって夫に見せると「わ、ひょう疽や。」と言われた。ヒョウソ?何それ?初めて聞いた。何それ!いいね。

 

関西人が言う「ひょう疽」は、すごく関西弁っぽくてとてもいい。「テレビ」とか「ファミマ」と同じアクセントで。

 

私は日頃関西人に擬態しているせいか、こういうモロ関西のアクセントを口にすることが気持ちよくてついつい言いたくなる。「またひょう疽になってん。」「ひょう疽の初期やって先生に言われた。」「ひょう疽やから洗い物できひんわ。」「あんま寝てへんからひょう疽とかなったんちゃうかな。」とネイティブの夫に畳みかける。夫は気づいていないけど私は「ひょう疽」って言いたいだけだ。たぶん「ひょう疽」以外の部分もいつもよりコテコテにできたと思う。ちなみに休日の朝も「朝マックにしよう」ではなく「朝ごはんマクドにしよか」と言う。だって「マクド」って言いたい。

 

言いたい言葉殿堂入りは「墾田永年私財法」だろうけど、これも語呂の良さに加えて、小難しい言葉をすらすら言えて賢そうという、猫ふんじゃったを高速で弾いてピアノ弾けるぶって気持ちいい、みたいなごっこ遊びだと思う。そしてこれは「の」が非常に大事だ。「こんでんえいねんしざいほう」が一般的な読み方らしいけど私はそれだと気持ちよくない。「こんでんえいねんしざい、の!ほう」と言うことで初めて「この紋所が目に入らぬか」のような必殺技的気持ちよさも生まれる。

 

私の言いたい言葉No.1は「幕僚長」だけど、これも最初の「ばく!」でストレスを発散し、続く「りょうちょう」の語感の良さを味わいながら圧倒的権力を持ってそうな(よく知らない、けどそれがまたいい)この言葉を発することで、組織ごっこがしたいんだと思う。大声で言いたい。幕僚長!

 

ただ墾田永年私財法も幕僚長も会話に組み込みにくくて言う機会がなかなかない。その点、ひょう疽は使いやすい。さらに今私はひょう疽を患っている。ボーナスタイムだ。

今日は「ひょう疽って正味なんなん、ほんましんどいわー」とか言おうと思います。

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WRITTEN BY Farubi

デザイナーです。イラストを描くことと地方のスーパーが好きです。

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