WEEKLY (THINK)

peelの週報。
スタッフの日常×クリエイティブシンキング

ILLUSTRATED BYヨコヤマ

2024.05.27 105 views

ミーハー珈琲道


自宅でコーヒーを淹れることを覚えたのは大学生の頃。北野白梅町のスーパー、イズミヤで直火式のエスプレッソメーカーと手動のミルを買った。

 

レオパレスならではの狭小キッチンで豆を挽き、ちっとも熱くならない電熱コンロの上にメーカーをセットし、超特急ならぬ超薄味のエスプレッソを淹れては飲んだ。

 

すぐ飽きた。

 

当時、エスプレッソはインパクトのある飲み物だった。ちょっとしか入ってないのに数百円もする。しかも苦すっぱい。背伸びしてオーダーしてみた男子学生が、運ばれて来たカップの小ささに動揺しては取り繕う、という光景が河原町の至る所で目撃された。

 

そんな異文化の味を自宅で楽しめたら、と思ったのだが、現実はいつも薄い。

 

大阪に来てからは足繁くカフェを巡った。2000年代も後半になると、ハコの洒脱さを競うブームは終息し、コーヒーの美味しさを看板にする店が続々登場した。

 

僕も当然その波に乗り、それらの店でよく見かけたナイスカットミルを購入。当時で3万円程したが、元を取り返そうと必死で淹れた。ドリッパーは、こちらも流行だったコーノ式。淹れ方次第で多彩な表情が出る、というプロっぽい惹句に、素人が惹かれて買った。

 

これらの機器との蜜月は暫く続いたが、「味が安定しない」「いい豆を使っても店の味を再現できない」ストレスが重なり、飽きた。

 

そして現在。近所にスペシャルティコーヒーのみを扱う喫茶店ができた。店主に淹れ方を見せてもらったのだが、難しい技術は必要なく、湯温と湯量、豆の量だけ気にしていれば大丈夫、とのことだった。

 

早速コーヒースケールと温度計を買った。ドリッパーも店主と同じカリタウェーブに買い換えた。結果、わりと忠実に再現できてる、と思う。

 

高級豆を無駄にしない自信がついたので、今日も僕はその店で中南米やアフリカの国名のついた豆を買う。

 

焙煎はもちろん、はやりの浅煎りで。

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WRITTEN BY ヨコヤマ

コピーライターです。事象を俯瞰で見つめつつも、血の通った言葉を紡ぎたい。小学生の娘がクラス朝礼で「コピーライターになりたい」と言ったそう。誉れです。

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