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仕組まれた、いちご祭り
国語の教科書を音読する娘。
「いちご祭りのチラシ2案から、どちらがよいか選んで理由を述べよう」
むむ。
クリエイティブ業界の母、職業病が発動した。
脳内で、教科書の平易な文章が、瞬時に「オリエン資料」へと変換されてゆくーー。
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学校に届いた商店街会長からの一通の手紙。概要は、こうだ。
■30周年を機に町外へターゲット拡大
■特産いちごで体験価値提供&町自体のブランディング強化
■デザイン2案から1案を選べ(理由つきで)
ふむ。
手紙は1月中旬付、祭りは2月最終土曜。
年始にあがった案A/Bを即ブラッシュアップ、入稿、印刷。町外へ配布交渉…タイトか。
A案:手書きイラストとメッセージの親しみやすい案
B案:いちご画像とキャッチで広告的な案
しかし会長、意見を募るとは。デザインは他の人で、ディレクションだけ依頼?ギャラは?
いや、そんなことはさておき。
A案は町内向けテイストを引きずっている。丁寧なあたたかみはいいが、写真ゼロ・長文で初見に不親切。30年イベントが小規模に見える。
B案はポスター的で集客意識していて良い。だがスマート過ぎ。イベント名小さい、情報薄い。地元愛されトーンがほしい。
個人的には別案でイチから作り直したいが、選ぶならA案をベースにしようかな。町外ターゲットなら「ローカルの面白さ×安心クオリティ」を。わざわざ足を運ぶ価値を感じさせたいし。……いや、そもそもこの町が目指す長期的なポジショニングは?
おっと、踏み込みすぎたか。
ん?ちょっと待てよ。
なぜ会長は小学生に意見を求めた?
シックスポケット狙い?子どもが「連れてって」と言えば、エンタメ競合比較より効率的?
いや、まさか。
このチラシ2案、会長のディレクションであえてこう作られたとしたら?
イベント告知しながら、子どもたちに町のブランディングを考えさせているとしたら?
このプロセス自体をコンテンツ化しようとしているとしたら?
商店街会長、ブランディングプロデューサーやん。
いちご祭りを使って、町づくりワークショップと発信コンテンツも用意。
すべては、仕 組 ま れ て い た ——。
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「ママ、サインして」
読み終わった娘が、宿題カードの保護者印欄を指差した。
はいはーい。
WRITTEN BY ubiik
プランニングやディレクションをしています。時短勤務中。福岡、淡路島が好きです。