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黒い点
ああまた買うの忘れた、言うの忘れた、持ってくるの忘れた、と毎日何かを忘れています。今日も今日とてスーパーを2軒ハシゴしたのに1週間前から切らしているいりごまをまた買い忘れました。
思い出した時にスマホでリマインダーなりかけておけばいいのですがそれはめんどくさがるし、私は外出時に持っていくべきものを玄関のど真ん中に置いておいても跨いで靴を履いて出て行くような人間なので、まれにリマインダーをかけても通知がくると「あーうるさい」と止めてすぐまた忘れるし、ToDoリストを作っても作ったことを忘れるし、というかそういうのをきちんと活用できるような人ならこんなに忘れていないと思うのです。
そんな私のライフハック。
黒い油性ペンで左手の甲、親指の付け根あたりにほくろのような点を書きます。「お前には忘れてはいけないことがある」という印です。
忘れてはいけないこと自体を文字で書くのは見た目がなんだか汚いし、読まれると恥ずかしい。でもこれだとぱっと見はほくろに見えるので平気です。そしてしばらくすると案の定書いたことをすっかり忘れるので、ふと目に入ると「うわ虫!?」とか「え、ほくろ?」とびっくりした衝撃でリマインドされ、いりごまを思い出すのです。
油性なので、手を洗ってもお風呂に入っても、翌日まで薄く残って私にリマインドし続けます。そして無事いりごまを買えた頃、静かに消えていきます。
見た目の問題もありますが、何を忘れてはいけないかを書かないことは私にとって最後の希望です。それすら忘れるならお前はもう終わりだという覚悟を持っています。しかし忘れてはいけないことの数だけ点は増えるので、もう何度も終わっています。
私に似たのか、娘も少し忘れんぼうで困っていたのでこれを教えてあげたところ、ある日大きな黒い点というか丸が左手の甲にありました。前日学校に忘れた水筒をちゃんと持って帰るために書いたそうで、無事持ち帰ってきました。えらい。
WRITTEN BY Farubi
デザイナーです。イラストを描くことと地方のスーパーが好きです。