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こだわりとだらしなさの狭間で
炊飯器が壊れた。
せっかくだからいいのが欲しい。わりと高価なものを買う時は、とことん検索して網羅しないと気がすまない。ただここのところバタバタでじっくり調べたり見に行く暇がない。けどずっと使うものをよく調べもせず「えいや」では買えない。でもうちには白米大好きっ娘もいるし、このままじゃ困る。
出した答えが炊飯用土鍋。
だらしがない私が毎日土鍋で炊き続けられるだろうか、まずは目止めのハードルもある。懸念が頭をかすめたけど、コンロで炊いてそのまま冷蔵庫に入れられてさらにレンジにもかけられるって。炊飯器より全然安くてコンパクトだし、口コミにも高級炊飯器よりおいしいって書いてある。とりあえずこれ買って、いけそうなら炊飯器無し生活もありえるかも。今はこれが最善策!と鼻息荒くポチって、胸を撫で下ろした。
以上を同僚2人に話したところ「炊飯器がいるんやろ?なに土鍋買うとんねん。君はいつも物事を深掘りしてこだわりすぎや。」と笑われた。はっ、確かに。炊飯器について熟考するうちに「炊飯の最善とは?」という頭になってしまっていた。しまった、またやってしまった。
私はいつも深掘りしすぎて変なこだわりに溺れて、なかなか前に進めないことが少なくない。元々の思考グセもあるけど、半分くらいは職業病なんじゃないかと思っている。なぜなら今私をせせら笑っているこの2人だってそれぞれのこだわりに日々頭を悩ませているから。
「最善の選択をしたつもりでほくほくしてたのに。」と言うと「じゃあはよ使えよ。」と食い気味に同僚。そう、こだわりが強いくせにひと段落すると生来のだらしなさが顔を出して途端にどうでもよくなってしまう。
届いて2日目の土鍋はまだ段ボールに入ったまま。
昨日はビーフンで乗り切った。
今日は娘の好きなグラタンとパンにしようか。
WRITTEN BY Farubi
デザイナーです。イラストを描くことと地方のスーパーが好きです。