WEEKLY (THINK)

仕事柄、「いいWebサイトって何ですか？」と聞かれることがある。
 
ああ言えばこう言ってしまう性格なので「対象にしている人によります」なんてつい答えてしまうが、私の中での『いいWebサイト』の定義は、実はきちんとある。
 
それは『昨日初めてインターネットに触れた人でも分かるサイト』だ。
 
KPIでは測れない、使った人が満足にさわれて欲しい情報が得られるサイトが『いいWebサイト』だと思う。
 
ただこれが言うは易しで実装は難しい。
 
Webサイトってどのようにも作れて何でも表現できる便利アイテムだが、そのフレキシブルさが裏目に出ることもある。
 
例えば3DCGやパララックスを大胆にあしらったサイト。見た目はすごくかっこいい。私もこういったものを作ってみたいなといつも思う。
 
だがどうだろう、もし私が『趣味：おしゃべり』のおじいちゃんだったら？「おじいちゃんがそんなサイト見ないだろ」という意見は一旦無視して、もし、何かのきっかけでそのサイトを訪問したら？
 
…そんなことを考え出したらデザインなんて一生できないのだが、私はどうしても『じゃない方』にされた対象のことを考えてしまう。
 
それらを踏まえて私が『いい』と思ったWebサイトは、COVID‑19ワクチンの予約サイトだ。
 
役目を終えもう閉鎖してしまったが、なんて使いやすいんだと感動した覚えがある。
 
しかし、そのサイトから予約した母は「何をどうしたらいいか分からない」と言っていた。そもそもオンライン予約に明るくない母からすると扱いにくいサイトだったらしい。うん、やっぱり難しいな。
 
ただ、今や生まれて半年程度で動画配信サイトなどに触れてしまえる時代。
 
だから私は考えることを諦めず『良いWebサイト』だけではなく、『善いWebサイト』も作っていきたい。その方が好いと思うから。