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箱の中身はなんだろう
もはや説明不要の超有名食品「カロリーメイト」。
私が人生初のジャケ買いをした大好きな商品である。
初めて目にしたのは小学校低学年だろうか。スーパーのお菓子売り場とは別の棚に陳列されたそれは、おっとっとやミルクキャラメルとも少し違う黄色に見えた。
お菓子のようで薬のような、どこかの国のお土産のような、異国情緒あふれる風貌で一目で私の心を鷲掴みにした。
箱の形も特別に感じた。DVD付きCDケースを小ぶりにしたようなほぼ正方形のサイズ感、でも当時はレコードとカセットテープが主流の時代。形容するものがなかったように思う。
片田舎のスーパーでは異彩を放ちすぎてヨソモノ扱いされたのか、ゴールデンラインではなく棚の下の隅の方に置かれていた。けれどそれが出会いの分かれ目、背が低い当時の私には幸運だった。
あの黄色い箱の中身は何なのか。母とスーパーに行く度気になって仕方がない。あれが食べたい、、わけではなくあの箱が欲しい。おねだりするも小学生には不相応と判断され即却下。
めげずに執拗なプレゼンを繰り返した結果、ついに買ってもらえる日が来た。
夢にまで見たこの瞬間。箱を開けるとピカピカでギザギザの袋が2つ、その袋の中には謎の穴が空いたカサカサの食べ物が。
クッキーみたいでおいしそう!とほおばるも、おいしくないことにびっくり。(大塚製薬さん、ゴメンナサイ。。)
それもそのはず、お菓子でもなければ子ども向けの商品でもない。栄養とおいしさの二律背反の解決に尽力された結果の味なのだ。むしろこの味がわかる大人に早くなりたいと背伸びして食べきった。
チョコレート味が発売されたのが1993年。中学生になった私はこれなら食べられる!と一丁前に「バランス栄養食」として習い事の前に食べたり、これぞ「食べるダイエット」だと流行を振りかざした。
捨てるのがもったいなくて部屋の窓枠に箱を並べる。全種コンプリートしたくて苦手な味も我慢して食べる。ドリンクタイプの缶を洗面所に飾ったら親に捨てられる。なので缶をぺたんこに潰してキーホルダーに加工して学生カバンにつける。
カロリーメイトに翻弄されたアオハルの追憶が次々とよみがえる。仕事や育児に追われる今、何でもないことを楽しめたピュアさが愛おしい。
発売から約40年が経ち、自分も世の中も様変わりした。変化や多様性を肯定する現代に黄色い箱は今も変わらぬ姿でお店に並んでいる。
この箱の魅力はなんだろう。

WRITTEN BY AKIHATA
大阪の南の方に住んでいるグラフィックデザイナーです。