WEEKLY (THINK)

peelの週報。
「スタッフの日常×クリエイティブシンキング」

ILLUSTRATED BYAKIHTA

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五感で味わうデジタルデトックス ~初心は尊いの巻~

久しぶりに、ホタルをみた。
 
以前、vol.140で紹介した田舎体験、その続きのお話。
 
6月に奈良の里山でホタルの鑑賞会があるとのこと。最後にみたのは数年前だし、故郷でさえなかなか出会えない。この機会を逃してはならないと、いつもはお留守番の私も「ぜひ!」と同行を決めたのだった。
 
午後4時、今日は夜会とあって遅めの到着。いつもは先生や息子から話を聞くだけだった田畑や池が、一気にリアルな世界となって広がる。アマガエルがいた物置き場やカマキリの卵を見つけた草むら、ツララができた屋根など、息子が嬉しそうに教えてくれる。私も地面にゴロンと寝転がって草の匂いを吸い込む。青空がまぶしい。
 
ところで皆さんには「子どもの頃に見た場所や物が大人になると小さく感じる」という経験はないだろうか?よく遊んだ公園や母校の二宮金次郎など…
 
こうした感覚は決して気のせいではなく、心理学によると身体の成長による”視点の変化”と“記憶の再構成”で説明されている。つまり、自分の世界が広がった分、相対的にかつての記憶が小さく上書きされるらしい。
 
流行もそうかもしれない。周期を経験している世代にとっては「またか」と小さく見積もってしまう。仕事もまた然り。以前提案した企画やデザインはどこか物足りなく感じ、無意識にdeleteボタンを押してはいないだろうか。
 
夏至の遅い日没、20時を迎えてようやく帳が下りると、1つ、2つと黄色い光が。「わあ!ホタルだ!」と子ども達の声と共に、発光リズムも増え始めた。息子にとっては初めてのホタル(小さい頃にみたけど覚えていない)。満天の星空と”1/fゆらぎ”の明滅に包まれながら、凝り固まった体内時計が解かれていく。里山のホタルは記憶と変わらずとても幻想的だった。
 
ということは、定期的に体験するとスケール感は変わらないのかもしれない。もしくは、歳月を重ねるにつれ相対的にこちらが小さくなってしまったのか。
 
自宅では畑で見つけたカブトムシの幼虫が飼育ケースで眠っている。虫嫌いの私にとっては恐怖でしかないけれど、息子は霧吹きをかけたり大事に世話をして孵化を心待ちにしている。長男が通った道なので「はいはい、またか」と脳内ショートカットをしそうになるも、次男にとってはこれも立派な経験。”初めて”は人生で1度きりなのだ。
 
いつかあの広い里山も「こんなに小さかったっけ?」と思う日がくるのかな。

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WRITTEN BY AKIHATA

大阪の南の方に住んでいるグラフィックデザイナーです。

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