WEEKLY (THINK)

peelの週報。
スタッフの日常×クリエイティブシンキング

ILLUSTRATED BYAKIHATA

2024.09.09 99 views

5万は多い?少ない?

何気ない息子との会話。

 

TikTokを観ながら「この女の子可愛い、お母さんより可愛い」と息子が言うので「そんな人ごまんといるでしょ」と返した。すると彼の返事が衝撃だった。

 

「え?5万?それってまぁまぁ上位じゃね?」

 

はい?

 

私は一瞬耳を疑ったが、どうやら登録者1千万人/1億回再生などの数字に慣れている息子にとって5万は少数であり、私より可愛い人はこの世にたった5万人しかいないという真逆の解釈に至ったようだ。世界人口約80.5億人のうちの5万位ならそりゃ上位も上位だ。

 

実はこの「ごまん」の語源は、近世語の「まんと」が由来だったり「巨万」の当て字という説もあるので、元々は数そのものを表してはいないらしいのだが、Z世代には非常に沢山という比喩が「ごまん」の響きからでは直感的に通じないことに私は衝撃を受けた。

 

5万は「5時から男」の5時のように時代錯誤な値として令和から去っていくのだろうか。生き残るには「両替」の両のように文化財として日常に溶け込むか、「MK5(マジでキレる5秒前)」のように5MI(ごまんといる)とDAI語化させて若者に取り入るか、はたまた少数を表す言葉として奇跡的に意味が転じてくれるのを待つか。いずれにせよこのままでは風化の一途を辿ってしまう。

 

 

となるとライバルは「星の数ほど」である。調べてみると大阪から肉眼で見える星の数は約3千個。思ったより少ない。けれど遥か遠くの銀河を合わせると6千垓個もあるなんて記事も。

 

「星の数ほど」は、これから何十年何百年先でも色褪せない言葉として活躍するだろう。

 

そして同時に観測不可能な宇宙空間を想像すると、目に見えない世界の方がまだまだ広いことに改めて気付かされる。

 

 

なんだか急に、ひとーつふたーつと指を折って数えてい幼い頃の息子が懐かしくなった。

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WRITTEN BY AKIHATA

大阪の南の方に住んでいるグラフィックデザイナーです。

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