2024.01.22 160 views
ととのう時間
子どもを授かり、洋裁が趣味になったお母さんが、私の周囲に結構いる。かくいう私もそんな一人だ。
大人服はハードルが高い。微妙なサイズ感や、肩まわり襟まわりのしつらえの良し悪しなどで、その服が「着れるものになるか」が左右されるからだ。
一方、子ども服はというと、多少の荒っぽさや失敗も愛嬌となる。型紙さまさまなのだが、素人でも、まぁ可愛くなる。だから、子ども服を機に洋裁にハマるお母さんは多いのかもしれない。
そんな洋裁ブームも、育休明けとともに下降線を辿っていたのだが、先日ふと、自分のパジャマのゴムを変える気になった。
針と糸、リッパーなどを出してちまちま作業していると、日々のごたごたしたことが一気に片付いたような感覚を味わった。サウナ通の人たちがいうところの「ととのう」。たぶん、アレが訪れた。ただ、ゴムを変えただけなのに。
パジャマのズボンが私のお腹に無理なくフィットした瞬間、何かが「ととのった」。子ども服を作っていた頃に感じていた、単なる四角い布が子どもの体を包み込む「服」となっていく、あのここちよさが蘇ってきたのだ。
この「心がととのう時間」の効能たるや。
夫がボディソープの詰め替えをハンドソープのボトルに詰めたとて、夫が保育園の防水シーツを布団の裏側にセットした日に限ってお漏らしされ、布団一式全部持って帰る羽目になったとて、「なんてことないわ~」と受け流す心の余裕をもたらしてくれる。
この私だけの「ととのう」時間があれば、気持ちがとっ散らかった時も持ち直していけるのではないか。
次の休みは重い腰を上げて、型紙を写し取るところから始めてみよう。
ミシンに被った埃を拭うと、心なしかミシンも「ととのった」ように見えた。
WRITTEN BY miyaP
子育て中のデザイナーです。ゆる〜く、ソーイングするのが趣味です。